アフリカ裸族の砂鉄製錬

アフリカ中部に位置する地方では、古くより、先住民である裸族による砂鉄製錬が行われていたと伝えられています。その記録はイギリス人によって著され、日本語訳としても出版されているようです。この本には。素晴らしく魅惑的な事柄が述べられており、その鉄づくりのくだりを要約して見ていきましょう。日本での昔の鉄づくりを喚起させられると思われます。この鍛冶師たちは、まさに「時代の証人」と称されるほど、かつて世界中の鉄を造った人々は、ほとんど同じような方法で製錬したに違いないとさえ言われているようです。裸族の鍛冶師は、火を用いて川砂を鉄に変えることができる魔術師であり、祭式の主宰者・祭司でもあり、予言の術に通じていたとされています。また、鍛冶師の妻は産婆であり、彼女だけが陶土による焼物を作ることを許されていたようです。死者のための霊魂の聾も、また、輔の風を送る土管も、その妻の手によるものだったそうです。炉は高さ2メートル弱で、木炭製錬であり、輔は山羊の皮、長い土管を斜めに炉の底近くまで入れ、風を送ると言われています。炭を入れ、点火して輔を激しく動かし、炉中に火が回ると、鍛冶師は生贄の血を炉にふりかけ、神に祈りを捧げる。この時、鍛冶師たちは一糸もまとっていないとされているそうです。火が輔に煽られて二時間後、鉱石の砂に特殊な植物の液を混ぜ呪文をとなえ、一握りの黒砂鉄を炉に入れ、すぐその上に木炭を入れる。輔係りは時々交代し、すぐに全力をあげて両手で毛皮を動かし始めると言います。そして、機関車のような声をだし、輔係りを激励し、高い声で歌をうたうそうです。鍛冶師は炭・砂鉄・炭と繰り返す。そして、炉の中を木の枝で掻きまわし、鉱津を流すと言われています。