三阿弥派兼国

三阿弥派兼国(かねくに)は、 室町時代前期、 美濃国(現在の岐阜県中南部)の刀工である。三阿弥兼則の子といわれ、三阿弥派を称した。「兼国」銘はは室町時代初期から室町時代後期まで数代を数える。今日現存する最古の作は享徳三年(1545年)年紀の脇差があるが、応永年間とみられる兼国銘の作や永享年間とみられる兼国銘の作がある。 小太刀や片手打ちなど小品が多い。作風は、地鉄がよく練れて詰み、刃文は、直刃や小乱で細かな金線・砂流しや子足が働く。後の関派の刀工とは一味違った趣きを持つ逸品を作刀した。刀剣の他に良品の槍の作例もある。特に、「素槍 銘 兼国」は、穂長が一尺を越える大身槍(おおみやり)で刀工の卓越した技量が窺い知れる。また、この大身槍を片腕に戦場を疾駆した武士の勇姿までもが目に浮かぶ。銘は「濃州住兼国」「兼国」と切る。


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