武士道と日本人

「日本人であることを述べよ」などといったような設問を設けますと、「武士道」というフレーズを掲げる人々もいるようです。「武士道」とは日本刀を帯刀する武士としての生き方をあらわしたものであると言われておりますが、武士たちの崇高な精神は、武士階級に留まらず時代とともに、一般の庶民階級まで浸透したなどと言われております。一時期、「美しい日本」などといったようなワードもブームとなりましたが、「武士道」とは日本人の美的精神をあらわすものであり、人としての正しい道を具体化し、多くの人々に説かれた日本人特有の思想でもあるようです。美しい日本人の代表としても知られる「遣米使節団」は江戸幕府が日米修好条約のために外国に派遣した一行であります。江戸時代は長らく諸外国との関係性を断ち切る鎖国が行われた時代でもありましたので、全く風景の方が異なるアメリカの地を踏んだ「遺米使節団」の一行はアメリカ人たちの圧力にたじろいでしまったのかと思いきや、彼らは大変立派にも堂々とニューヨークのブロードウェイを行進したなどとも言われ、その当時のアメリカ人が彼らの威風堂々とした姿を見たところによりますと、東洋人の美しい精神に触れるとともに驚きを隠せなかったのと言った記述も残されているようです。武士道の精神は、武士としての誇りとともに生きることへの健全なる前向きな姿勢を養うための思想でもあったのかもしれません。


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