武道と勝敗について

武道は勝敗が決まるものではありますがただ単に勝ち負けにこだわっている結果が全てというスポーツとは少し意味合いが異なるかもしれません。先述した通り武道というものは公的に生きることを根源にしており、自分自身の勝敗や栄光を求めるものとは少し異なる世界です。武道において大切なことは、公的に生きる姿を自身がしっかりと持つことができるように学んでくこと、天というおおいなる力や存在に捧げていくという心がけです。なので、武道というものは相手に勝った、負けたと一喜一憂するものではないのです。勝った場合には、自分の最善を尽くしたとしても、まだまだ成長できる、精進できると反省し勝利から次に自分がさらに成長できるようにと考えます。そして、相手に対しては敬意をしっかりと持ち、思いやりやいたわりの心を表現していくことが大切です。また、負けた場合は、自分の技量の未熟さを気づかせてくれた相手を称え、尊敬し、しっかりと感謝することが大切です。そうすることで、武道に感動が生まれ、これこそが武道を学ぶということなのです。武道の精神には様々な教えが要素として含まれています。儒教、仏教、神道、禅などです。この様々な要素が含まれていることからも、武道は世界的にも稀な広遠な修業の道であり、強さだけが必要なものではないということがわかるでしょう。武道を学ぶ者において、人間関係には、信頼される人間関係をしっかりと目指していくべきであると教えられています。これは、儒教において孔子が述べた、「老人には安心されるように、友人には信頼されるように、若者には慕われるように」という自身の人間関係の志望から取り入れられた、考え方であると言われています。


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